白む頃

夜の高野山には独特の魅力がある。
それだけに日が暮れてからは寺の中はもとより、道を歩いている間も、無言での行動をお願い致します。
高野山では寺に住んでいる方や宿坊に泊まられている方もいます。
翌日の夜明け前から修行を行う人もいます。
配慮を欠かさない行動をしましょう。
東の空が白んでくると、橙色をしていた常夜灯の明かりが、段々と色を失っていきます。
もちろんそんな風に常夜灯の明かりを演出しているわけではなく、周囲の明るさで、色の見え方が変わってくるのです。
この色に成ってくると、高野山の町全体が、少しずつ動き出してきます。
普通の町のように配送の車が行き交うだけではなく、修行を行う方、お堂に手を合わせる方、お勤めに向かう方など、都会の朝とは違う凛とした空気が漂ってきます。
草履を擦る音しか聞こえないような、静かな朝の始まりです。
