古の知恵

古い寺社にはこのような大きな水瓶がある。
屋根に降った雨をこの中に溜めて、火災の時の初期消火に使うのだ。
寺社に大きな銀杏の木があるのも、銀杏が水分を多く含んでいるので、延焼を防ぐ効果があるためだ。
ほかにも屋根の上に水の入った樽を乗せている場所もある。
すべては火災に対する備えであり、保険である。
今ではスプリンクラーや消火栓も備えているが、それでもこういった昔からの知恵を受け継ぐことは忘れない。
それを見越してなのか、ただ水を溜めておけばいいだけの瓶なのに、実に見事な模様細工を施している。
これが職人の遊び心であり、心意気なのであろう。
昔の人の知恵と技術と魂は、こんなところにも残っている。
