坊主の視点

東本願寺の阿弥陀堂から御影堂を望む。

観光客であれば、門前の蓮華の噴水に目が行き、御影堂門に目を奪われ、御影堂で目を見開くことであろう。
東本願寺は京都駅の近くで、多くの参拝者が訪れる寺院である。
外国人だけではなく、日本人でも、その巨大な建築に圧倒されることは疑いない。

正面に佇む御影堂はそれほど巨大なのだ。

その建物もほかの寺院と同じように黒光りする木材に覆われている。
何年もかけて磨き上げられた歴史の重みを、柱や手すりからも感じられる。

たぶん数百年も前から、この寺の坊主が、汗をかき、手をかじかませながら、この手すりを拭いていたのだろう。
そしてその先にある御影堂を眺めていたのだろう。

時代を経て人々に何を訴えるのか。
いや、何も訴えず、ただそこに佇んでいる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

シグマfpL

前の記事

あっちとこっち
シグマfpL

次の記事

古の知恵