何となくイイが良い
再びストリートスナップに戻ってきました。
今回のストリートスナップは残り数枚ですので、もう少しお付き合いください。
この写真ですが、複雑な写り込みの結果です。
まず中央のスマホを片手に歩いている人の影ですが、これは画面中央のガラスに写った階下の歩道の風景です。
その上にある足が、ビルの外壁に写った私の足です。
左側に見えるのは、写り込みではなく、直接見えるエスカレーターになります。
と、何が写っているかの説明は以上ですが、この写真、何となく不思議で「なんだろう」と見つめてしまいませんか。
写真だけではなく、絵画でもそうだと思うのですが、何かわからないけど目を奪われるという状況は、いい写真や絵画の一つの条件かなと思っています。
昔、子供の絵を岡本太郎さんが批評するバラエティ番組があったんです。
そこで「なんだかわからない。だからイイ」って言っていたんです。
「なんだかわからない」は「何が描いてあるかわからない」って意味だったんでしょうけど、私的には「なんだかわからないからイイ」って思えたんです。
実際、岡本太郎さんにしても、ピカソにしても、ダリにしても、なんだかわからないですから。
でも写真ですから、そこまで何かわからないことはないでしょうけど、「なんだかわからない」は「イイこと」という脳内変換が起きて、「何がイイのかわからない」でも「目を奪われる」は芸術の原点みたいに考えるようになりました。
なので状況説明をしたり、意味がどうかというよりも、目を奪われることのほうが、いい写真かなと思います。